【46枚イラスト図解】名古屋帯の結び方は前結びが簡単！初心者でもひとりで結べる方法

この記事を読んでほしい人

• 名古屋帯の一重太鼓の結び方を覚えたい…
• 一度習ったけど忘れた…
• 一重太鼓を一人で結びたい！
• 手が上がらないけど帯結びができるようになりたい…
• 「前結びって本当に簡単なの？」の疑念を持っている

れい

そんな方に向けて呉服店での販売など長年着物に携わったプロの着付け講師が名古屋帯の簡単な前結びの結び方を初心者でも一人で結べるように46枚のイラストを使って解説します！

れい

一度覚えると「今日は着物で出かけよう～♪」と思ったときに美容院に行かなくても、着付けの先生にお願いしなくても、自分で着れてサッとお出かけできますよ！

名古屋帯を一人で簡単に前結びをするために用意するもの6選

名古屋帯の結び方（前結び）は、まずサテン地の前結び用帯板を用意します。

前結び用帯板は、帯板ごと回すものと、帯だけを回すものの二つのタイプがあります。

前結び用帯板（普通サイズと長いタイプ）

どちらでも良いのですが、今回は帯だけ回す結び方をご紹介します。

1. 名古屋帯
2. 前結び用帯板
3. 帯揚げ
4. 帯締め
5. 帯枕
6. クリップ２つ
7. 仮紐１本
   
   画像をクリックすると大きくなります。

①名古屋帯②前結び用帯板➂帯揚げ④帯締め➄帯枕⑥クリップ⑦仮紐

れい

長じゅばんと着物の着付けは以下に詳しく書きましたので是非ご覧ください。

名古屋帯の名称と仕立て方

名古屋帯は、長さ約３．６ｍ、幅は約３４ｃｍです。

礼装用の袋帯に対して、名古屋帯は気軽にカジュアルな場面で多く使われます。

帯にはテ先とタレ先という名称が出てきますので、この二つだけ覚えてください。

名古屋帯の先端がテ先とタレ先という2種類の呼び方がある

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【イラスト図解】名古屋帯の前結びの手順全38工程とやり方の解説

れい

名古屋帯の前結びの手順をイラストで解説していきます（イラストをクリックすると拡大されます）

手順	結び方解説
1	前結び用帯板を着物の上に付ける。
2	クリップをトップバストのところに付ける。 着物の上に前結び用帯板を巻いてクリップを止める
3	帯の輪を下にして、右手をのばして約60ｃｍのところ（左手）を右クリップに止める
4	そのまま帯を伸ばして左もクッリプに止める。 前結び用帯板の上から名古屋帯合わせてクリップでとめる
5	テを折りあげて右肩に乗せて、ひと巻きする。 テ先を三角に折る 名古屋帯をひと巻きする れい 帯を巻く時は、自分の体を回すとやりやすいですよ！
6	左手でテの上を押さえて右手で横に引きながら締める。 ぎゅっ！ 左手で押さえて右手でしっかり締める 右手でしっかり締めたらそのまま三角に折ったテの上に重ねて左手に渡す
7	二巻き目を巻く。 帯を左手で後ろに回し右手に渡す 左手で帯を後ろに巻き右手に帯を渡す
8	左手で帯下のテの角を少し引き出してしっかりつまみ、右手でタレを二度ほど横方向に引いて締める。ぎゅっ！ 左手は三角を持ち右手でしっかり締める 帯の下の重なりをクリップで止める
9	折りあげた手にタレをかぶせるように左に持っていき、帯の下側の中心を帯と帯板ごとクリップで止める。 れい 帯の下側のクリップ、大事です！ これで手を離しても帯はズレません。 この後、心配なく進められますよ！
10	タレを左まで持っていき手をおろす。 タレを左手で持ちテ先を下ろす
11	テを押さえながらタレを左肩に上げる。 タレを左肩にのせる
12	タレをかぶせるようにテを左に持っていく タレを左に持って行く
13	しっかり引っ張って前でテを止めていたクリップを外して、テを後ろに回してクリップで止める。 手先を後ろに回しクリップで止める れい このように折り紙のようにパタン、パタンと折りたたむとゆるまない上に、ねじらないので帯が傷むこともなく、タレ元がスッキリします。
14	タレ元になるところを広げて平らにする。 タレ元をきれいに広げる
15	帯枕の形を確認して帯揚げをかぶせてゴムで止める。 帯枕は丸みが上、平らで綿が入ってない方が体側 図のように丸みのある方が上。 平らな方が体側。 ふわっとふくらみのある方が帯側。 帯枕に帯揚げをかけてゴムで止める れい 帯枕を選ぶ時は、できるだけ帯巾に近い長めの物が良いです。それは、帯山にシワが寄らず美しいお太鼓になるからです。
16	帯の中に帯枕を入れる。 お太鼓になるところに帯揚げをかけた帯枕をいれる
17	柄が全体にある帯（六通柄と言う）はタレ先がひざの辺りにくるように合わせる。 帯枕を入れて形を整えて、タレ先はヒザの所に合わせる
18	右手で帯と帯枕を一緒に持ち、左手でトントンとして落ち着かせる。トントン！ 帯山を決めて落ち着くように整える
19	内側にシワが寄らないように左手でやさしく伸ばす。スリスリ！ 帯山を整え内側をてなでる
20	帯線の上に置く。 帯山を持ったまま帯線の上に乗せる
21	帯枕と帯揚げのヒモを後ろで結ぶ。前結びで一番しんどいのがここ！ がんばってヨイショ！ 帯揚げと帯枕のヒモを重ねたものを後ろで結ぶ
22	もう少し！ガンバ！ 手順㉑の続き
23	タレ先を人差し指一本分の長さを決める。 タレ先は人差し指の長さに合わせる
24	上に引っ張っていた帯をタレ先の上までおろす。 印を合わせてお太鼓を作る
25	片方の手を帯の中から、反対側の手は表から整えながらお太鼓の形を整える。 お太鼓の形は正方形。 お太鼓の形を整える
26	帯の中でテを押さえてお太鼓の下線を仮紐を渡し、前で結ぶ。 仮紐で押さえる お太鼓の下側で仮紐を通し結ぶ
27	うしろでクリップで止めていたテを外して前に持ってくる。 手先をお太鼓の中に通す
28	右手を帯の中に入れてテ先を迎えに行き、端までテ先を持ってくる。 テ先は帯の端から２～３ｃｍ出す。
29	帯締めの真ん中を持つ。 帯締めの真ん中を持つ 帯締めをテ先の真ん中に押さえて後ろにまわす
30	手先を2、3ｃｍ出してその上を帯締めを通す。
31	うしろで帯締めを結ぶ。 帯締めの仮押さえ れい 帯締めは蝶々結びと相性があまりよくないので、一度結んで、交差させて２回脇の帯締めに巻きます。
32	いよいよ帯を回す！２回で回す。まず、袖の袂（たもと）が邪魔にならないように腕にからげておく。パラン！（回す前に、７で帯と帯板ごと止めた帯下のクリップをはずす。） たもとをからげる
33	帯と帯板の間に親指を入れる。お腹を少しへこませて、回す。ヨイショ！ 帯を回す準備
34	もう一度回す。せーのっ！ 帯を回す
35	前の状態です。 帯を回したところ 帯揚げ、帯枕のヒモ、帯締め。 この時に後ろのお太鼓を触って形を整える。
36	まず、帯枕と帯揚げの仮結びを外し、ねじれないようにヒモをほどく。 帯揚げと帯枕の重なったヒモをほどく
37	帯枕のヒモを結ぶ。 帯枕のヒモを結ぶ 一度、斜め上に上げて、次に斜め下におろす。 こうすると、帯枕が背中にピッタリつく。 帯の上でしっかり結ぶ。
38	帯の上でしっかり結んだ後ヒモは帯の中ほど深く入れる。 帯枕のヒモをみぞおちの下まで下げる ここ大事です！ れい 着物を着るときはお食事がつきものですね。 お食事を頂いても苦しくないように、みぞおちには１本のヒモも当たらないようにすること。

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帯揚げの結び方

【整え方】

帯揚げを整える

①仮結びを外して、右手で帯揚げの端をまっすぐに手を伸ばして持ち、左手で３分の１折った中に手を入れて脇までスゥ～とすべらせてる。

②右手で引っ張りながら、下から折りあげて、左手を中に入れて脇までスゥ～とすべらせて布目を通す。

③最後は上から下に折り下げて手を入れてスゥ～と布目を通す。

れい

このひと手間を丁寧にすると、脇まで綺麗な帯揚げになります。

④手を持ち替えて、左も①➁③と同じように整える。

⑤帯の上線にクリップで止める。

帯揚げの整え方

【帯び揚げの結び方】

①左を上に重ねる。

帯揚げの結び方①のイラスト

➁ひと結びしてタテに上げる。

③タテにした方をまっすぐにおろして結ぶ。

帯揚げの結び方

帯揚げの結び方

④帯揚げの端をクルクルと巻いて帯の中に入れる

帯揚げの端の処理

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帯締めの結び方

分かりやすい動画で見て頂きましょう。

出来上がり

帯締めの仕上がり

不祝儀以外は帯締めの房の向きはイラストの様に上向きにする。

れい

最後に前、後ろ、全身を鏡に写して確認してください。背中のシワは脇に寄せます。

名古屋帯での一重太鼓の結び方は、主に普段着用の気楽な結び方と言えます。

さぁ～、お出かけしましょう～。

完成図

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一重太鼓とは？

紬に桜の名古屋帯を合わせたコーデ

れい

名古屋帯の一重太鼓を説明しますね。

江戸時代から、礼装と言えば丸帯でした。

表地裏地とも同じ生地を使った豪華な帯です。

ただ、豪華ゆえに重たいのが難点でした。

それを改良して作られたのが、裏地に無地の生地を使って作られた袋帯です。

更にその二重太鼓だった袋帯を改良し、一重太鼓で簡単に着付けができるようにと、作られたのが名古屋帯です。

仕立て方の違いでどちらも一重太鼓結びです。

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まとめ

れい

以上、名古屋帯の前結びの方法をお伝えしました。

後ろ手で結ぶと、とっても頑張らないといけませんが、前結びならラクに結べます。

最初は時間がかかっても、ひとつ、ひとつを丁寧に進めていけば、すぐに上達します。

ゴールは「着物で出かけたいと思ったときにサッと自分で着れる！」こと。

楽しみながら取り組んでいきましょう。

れい

いつもお読み下さり、ありがとうございます。

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