- 着物は難しい、何とか着れてもすぐに着崩れる…
- 一度習ったけど忘れた…
- 着物を一人で着たい!
- 美しい着姿になりたい…

そんな方に向けて呉服店での販売など長年着物に携わったプロの着付け講師が初心者の方でも一人で着物を綺麗に着れるように31枚のイラストを使って解説します!

一度覚えると「今日は着物で出かけよう~♪」と思ったときに美容院に行かなくても、着付けの先生にお願いしなくても、自分で着れてサッとお出かけできますよ!
あなたのお役に立てますように!
着物初心者も簡単に着れるポイントは?

紬と桜の名古屋帯を合わせて撮影

ポイントは2つだけです。
従来の腰ひもをゴム製のウエストベルトとコーリンベルト2本に変えるだけです。
ウエストベルトはスグレモノ!
おおよそ、着物を着る時はお食事が付き物ですよね。
ゴム製のウエストベルトはお食事を頂いてお腹が一杯になっても、ウエストベルトがお腹に合わせて伸びますから、腰ひものように体に食い込んで苦しい、ということが少なくなります。
2本のコーリンベルトの使い方は後述しますね。

では、まずウエストベルトとコーリンベルの長さを合わせていきましょう。
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ウエストベルトとコーリンベルトのサイズを合わせる
ラクで便利なウエストベルトとコーリンベルトは、事前にサイズを合わせておきます。一度合わせておけば後はそのままずっと使えます。

では、合わせ方をご紹介しますね。
ウエストベルトの中心を持って、

ウエストベルトの中心を持つ
ウエストベルトの中心を体の中心に当てて(腰ひものように)後ろで交差させる

ウエストベルトの中心を体の中心に合わせる
左右の脇から約10cmくらい出るように合わせる
一度パチンと止めてみる。少しキツメが目安です(本当に少しですよ)
これでウエストベルトの長さを合わせました。

ウエストベルトを合わせて前で止める
コーリンベルト
2本とも脇から脇までより少しだけ長めに合わせておきます。

コーリンベルトを合わせる画像

この二つのお手間が着物を綺麗に、ラクに、疲れにくくしてくれますよ。
着崩れない長じゅばんの着付け方法はこちらに詳しく書きましたので、是非併せてご覧ください。

次は着付け前に用意するものをご紹介します。
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用意するもの
必要な和装小物をひとまとめに揃えておきます。
着物と長襦袢と帯の他に以下10点の和装小物を用意します。
- 和装ワンピース
- 足袋
- 補正パット
- 衿芯
- 伊達締め
- ウエストベルト
- コーリンベルト2本
- 帯板
- 着物クリップ
- 和装ブラ
草履バッグについては、今回は省かせて頂きます。
バストの豊かな方は、和装ブラは必須です!
豊かなバストが帯の上にドンと乗ると美しくありません。
和装ブラはそれを防ぎ、付けるだけで美しい胸元にしてくれます。
服の場合は真ん中に寄せますが、着物の場合は逆で、和装ブラを付けて両端に寄せてバスト全体を平らにすると、美しい着姿になります!
他にも便利な小物は多数あります。
「あると着付けが格段にラクになり、便利な和装小物」について分かりやすくまとめました。

次に着物を着る準備と揃える小物をご紹介しましょう。
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着物を着る前の準備と揃える小物

詩集訪問着に詩集袋帯をコーディネート
前準備
- 長じゅばんに半衿がついているか確認する
- 長じゅばんに衿芯を入れておく
- 長じゅばんと着物を着物ハンガーにかけておく
1.長じゅばんに半衿がついているか確認します。
ついてない場合は、こちらの動画で分かりやすく解説されてますので、是非参考にしてください。
2.長じゅばんに衿芯を入れておきます。
図のように長襦袢の左身頃を逆さに持ち、衿芯を入れる。

3.前日より、着物と長襦袢を箪笥から出して着物用ハンガーにかけておきます。
着物ハンガーは、1本持っておくととても便利です。
着物を着る前日に長じゅばんと着物を重ねてかけておき、帯は下の段にかけます。




着物を着てしゃがんで紐類を取るのはしんどいですから、この方法なら立ったまま取れてラクですよ。
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着崩れない・美しい着物の着付け方法と順番

着物・帯・帯揚げ・帯締め

では、着てみましょう。
1.広えりの着物はえりの中心でホックか糸で幅を半分にする。
長襦袢と同じく後ろ手で持ち片方の肩にかける。
2.長襦袢のたもとを持って片方ずつ袖を通す。

3.着物と長襦袢の袖を揃える。

4.かけえりとえり先を揃える

5.片方に手で背縫いをつまんで、片方の手でえりを持ち上下に2回ほど動かす。
衣紋をこぶしひとつ分定めて抜いて、長襦袢と着物のえりをクリップで止める。

6.片方の手で背縫いを持ち、片方の手でえりを持って、一旦裾線を水平に持ち上げて床すれすれの長さにおろす。

7.上前のえり先を腰骨に合わせて、前幅を決める。

この時に、上前がかぶり過ぎたら、両方開いて右方向に引いて、上前の身幅を狭くする。

8.上前を開けて下前を腰に巻き付けて、裾を5㎝ほど上げる

9.ゆるめないように上前を重ねて、裾線3cmほどを上げる。


上前の裾せんを上げることにより、裾すぼまりの恰好の良い着姿になります。
ウエストベルトの使い方
10.ウエストベルトの中心を持って、前身頃の中心に合わせて後ろで交差させて前で止める。



11.重要止めた下側の左側を斜め上に上げる。

ウエストベルトを止めたら、下側のベルトをイラストの様に左脇に向けて斜めに上げると、伊達締めで真っすぐに整えなくても真っすぐなおはしょりが自然に出来上がります。

ここ大事です!
一本でも体を締めるヒモが減ると一日中着てもラクなのです!
12.身八口から手を入れておはしょりをならす。
上下にトントン、横にスー。

13.後ろも同じように、上下にトントン、横にスー。

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2本のコーリンベルトの使い方

こちらから、2本のコーリンベルトを使った着付け方法をお伝えしますよ~。
この方法は、詰まり過ぎず、はだけない、美しい衿元が簡単にできます。
14.下前のおはしょりを一旦中から引き出して、えりを整えながら左ななめに内折りにする。
コーリンベルトを止める衿を内側に2㎝折って止める



15.①で止めたコーリンベルトをバストの下を通って、左のおはしょりから出して背中を通って右の身八口を1㎝折って止める。


16.上前のえりを整えながら2cm折ってコーリンベルトを止める(止める位置はバストの下)

17.背中を通って左の身八口を1cm折って止める。


伊達締めは使いません!
使わなくても、おはしょり線はまっすぐになり、胸元はコーリンベルト2本で美しく整います。

1本でも体を締め付けるヒモ類がないことは、ラクな着付けの王道です。
18.これで完成です!


「今日は着物を着てます」の意識を持つだけでも違いますよ~。
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まとめ
以上、着崩れない着物の着付けをご紹介しました。
まとめます。
着物の着崩れは、やはり、多かれ少なかれ生じてしまうものではありますが、補正や便利小物等の事前の対策や、当日の振る舞いひとつひとつで、最小限に留めることも出来ます。
初心者さんも少し練習すれば、必ず流れるようにできるようになります。
日常にさりげなく和の装いを取り入れることは、生活に彩りを添えます。
久しぶりに箪笥のなかを開けてみませんか?
ゴールは着物を着て出かけたいと思ったときに自分でサッと着れること!

では、こんな感じでお伝えしました。
いつも最後までお読み下さりありがとうございます。
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