たまには着物を着てみたい、着物を着てぶらっと街を歩いてみたい、でも、着物は決まりごとが難しい、ちょっと不安、という事はありませんか?
そんな方に向けて、今回は、【初心者】着物の基本と決まり事・格・種類などを23枚の画像付きで徹底解説!と題して詳しくご紹介しますので、是非最後までご覧ください。

こちらの記事は以下の方にオススメです!
着物の決まり事が覚えたい
着物の格と種類を覚えたい
着物の格に合った長じゅばんや帯、小物を覚えたい
着物の決まり事が分かり、基本をマスターすると、着物はグッと身近になります。

着物は決して難しくありませんよ~。
着物文化を学び、和裁・着付け・呉服店での勤務など、長年着物に携わった私、れいが初心者さんに分かり易く、難しいことは出来るだけそぎ落としてお伝えします。
着物の選び方に迷われた際にはぜひ参考にしてみてくださいね。
【初心者】着物の決まり事の基本・名称
着物には名称があります。
着付けの場面になるとよく出てきますので、少しずつ覚えて頂くと良いですね

一度に覚えようと思わなくて良いですよ。忘れたら、また、こちらを見返してください
着物の名称
着物を平たく置いた図

着物の名称のイラスト
着物の名称
着物を身に着けた図(前見頃)

着物名称のイラスト
着物の名称(後ろ身頃)

着物の名称のイラスト

着物の名称って多いね

確かに多いですね。
でも一度に覚えようと思わなくていいですよ。
着付けを進めて行くうちに自然と覚えていきます。
大丈夫!
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【初心者】着物の決まり事の基本・着物種類と格
着物、帯、長襦袢には種類と格があります。
格というのは用途のことです。
結婚式用や普段着用などです。

お洋服に例えると、フォーマルドレスと普段着用のジーンズのようなものです。
比較的着用頻度の高い八種類の着物をご紹介します。
紋の数や種類、着物の柄行や帯によっても例外はあります。
着る頻度の高い8種類の着物
格の順はこのようになります。
- 黒紋付
- 黒留袖
- 色留袖
- 訪問着
- 付下げ
- 色無地
- 小紋
- 紬

では、黒紋付から順にご紹介しましょう。
着物の種類と格①黒紋付(くろもんつき)

黒紋付きの着物
最高礼装
未婚既婚を問わない最高礼装着
黒一色の無地に、背、両胸、両袖に五つ紋を入れた黒紋付は最も格が高く、帯によって慶弔どちらでも着用することができます。
慶事には袋帯を、弔事には黒一色の名古屋帯を合わせます。
最近は、黒紋付=喪服とおもわれますが、最高礼装着であるため葬儀で着用することが多くなりました。
本来、黒紋付は人生の大切な節目に着用する慶弔両用の第一礼装です。
戦前から戦後しばらくまでは黒紋付にフォーマル用の帯を合わせて、結婚式に着用していました。
現在でも邦楽などの伝承者は正装として黒紋付を着ます。

黒紋付は喪服だけじゃないんだね。

カワセミさん、そうなの。
宝塚歌劇団と宝塚音楽学校の正装は、黒紋付と緑の袴なのよ。
本来、五つ紋の黒紋付は家を代表するものなの。
娘さんをお持ちの方は是非、卒業式には黒紋付に袴を合わせて着せて差し上げてほしいわ!
卒業式の袴の着付けについてはこちらをご覧ください。
着物の種類と格②黒留袖(くろとめそで)

黒留袖の着物
第一礼装
結婚式など人生の祝い事に着用します。帯は喜びが重なるように袋帯を合わせます。
上半身には柄はなく、裾回りに格調高いおめでたい模様が描かれています。
染め抜き五つ紋が入っていること、白の比翼仕立て(ひよくじたて)になります。
既婚女性の祝儀用で主に新郎新婦の母、祖母、親族が着用します。
袋帯を合わせます。
着物の種類と格➂色留袖(いろとめそで)

色留袖の着物
紋付は、一つ紋、三つ紋、五つ紋と入れます。
色留袖は紋の数で用途とシーンが変わります。
紋の数が多いほど格が高くなります。
婚礼、初釜、華やかなパーティーに着用します
着物種類と格④訪問着(ほうもんぎ)

訪問着の着物
第二礼装
上半身から裾までを一枚の絵のように豪華な柄が染められた着物です。
晴れやかなお祝い事、およばれなど最も幅広く着用できます。
袋帯を合わせます。
一枚の絵のように柄が続いた華やかな着物。このような柄づけを絵羽模様(えばもよう)といいます。
着物の種類と格➄付け下げ(つけさげ)

付下げの着物
第二礼装(略礼装)
晴れやか場所のおよばれに着用します。
柄がすべて上向きに描かれています。
訪問着より少しだけ柄行を控えていますので、子供さんが主役のお祝い事の付き添い(入園・入学式・お宮参り、七五三等)に便利な着物です。
袋帯を合わせます。
着物の種類と格⑥色無地(いろむじ)

色無地の着物
地紋のある一色無地の着物。
紋をつければ第二礼装(略礼装)訪問着とほぼ同格になります。
お茶会や子供さんが主役のお祝い事(卒園式・卒業式の付き添いや七五三・お宮参り)の付き添いに着用します。
袋帯を合わせます。
紋をつけない場合は普段着
街着、お洒落用着として着用できます。
明るめの色はお祝い事に、シックな色は弔事用になります。
着物の種類と格⑦小紋(こもん)

草木染め小紋
外出着・街着
細かい模様が全体に入っている着物。
お洒落着、街着、お稽古用に着用します。
袋帯(格の高い素材や柄は避ける)、名古屋帯、半幅帯を合わせます。
気負わず気楽な着こなしを楽しめます。
着物の種類と格⑧紬小紋

紬の着物
紬の小紋
外出着
代表的なものに、大島紬、結城紬があります。
小紋と同様に袋帯(格の高い素材や柄は避ける)、名古屋帯、半幅帯を合わせます。
気負わずに街着、お稽古着に気楽な着こなしを楽しめます。
着物通が好むものでもあります。

着物初心者の方がまず手始めに着用、または、これから購入されるなら、気楽な小紋か紬から入られたら良いと思います。
こちらに長じゅばんと着物の着付けについて書きましたので併せてご覧ください。

次は、着物の格に合う帯の種類と格をご紹介します。
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【初心者】着物の決まり事の基本・帯の種類と格

袋帯と人紋の着物
帯は三種類あります。
用途に合わせた3種類
- 袋帯
- 名古屋帯
2-1九寸
2-2八寸 - 半幅帯

袋帯から順にご紹介しましょう。
帯の種類と格①袋帯

袋帯
文字通り袋のように仕立ててあります。
長さ4m30cm幅31cm以上。
金糸銀糸で織り込まれたものは礼装や正装に。
軽めの柄はお洒落着や普段着に結びます。
二重太鼓に結びます。
帯の種類と格②-1九寸名古屋帯
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名古屋帯
九寸名古屋帯とも呼ばれています。
長さ3m60cm、お太鼓幅は約31cm、胴に巻く半幅部分は約16cmに仕立てます。
華やかな季節を表す染め帯から織の帯があります。
胴に巻く部分は半幅になっていて、扱いやすく一重太鼓に結びます。
セミフォーマルからカジュアルに、着物に合わせて使い分けができます。
帯の種類と格②-2名古屋帯(なごやおび)・八寸名古屋帯

名古屋帯(かがりおび)
名古屋帯
八寸名古屋帯は、かがり帯とも言います。
九寸帯は裏地が付いた仕立てになりますが、八寸名古屋帯は帯の両端をかがった仕立て方の帯です。
主に、単衣や薄物の着物に合わせますが、袷仕立ての着物にも結びます。
帯の種類と格➂半幅帯(はんはばおび)

半幅帯
長さ3m80cm、幅16cm以上あります。
袋帯の半分の幅で、バリエーション豊かに結べます。
お洒落着から普段着、浴衣に合わせられます。
こちらで名古屋帯と袋帯の結び方について書きましたので併せてご覧ください。
名古屋帯の結び方はこちらを!
袋帯の結び方はこちらを!

次に、長じゅばんについてご紹介します。
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【初心者】着物の決まり事の基本・長じゅばんの種類と格
用途に合わせた3種類。
- 礼装用長襦袢
- 第二礼装用襦袢
- お洒落着長襦袢
着物の下に着る下着のようなものです。
長襦袢にも種類と着物に合わせる決まりごとがあります。
長じゅばんの種類と格①礼装用の長襦袢

礼装用白襦袢
色は白。おめでたい地紋が付いています。
黒紋付、黒留袖、色留袖、紋付の色無地など第一礼装の格の高い着物にあわせます。

黒紋付を喪服として着る場合は、おめでたい地紋の長襦袢は避けます。
白い無地の物を着用します。
長じゅばんの種類と格②第二礼装用の長襦袢

第二礼装用襦袢 ぼかし
地紋に淡い色合いで一色のものやぼかしなどがあります。
訪問着、付け下げ、色無地に合わせます。
長じゅばんの種類と格➂普段着用の長じゅばん

普段着用の長じゅばん
はっきりした、個性的な色や柄があります。
小紋、紬にあわせます。
シックな色目の小紋や紬の袂(たもと)から見える鮮やかな色の長襦袢がなんとも雅(みやび)です。

最後は、着物と帯の格に合う、帯揚げと帯締めをご紹介します。
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【初心者】着物の決まり事の基本・帯揚げと帯締めの種類と格
用途に合わせた3種類。
- 第一礼装用帯揚げ、帯締め
- 第二礼装用帯揚げ、帯締め(祝儀・不祝儀)
- 普段着用帯揚げ、帯締め
帯揚げと帯締めの種類と格①-1第一礼装用祝儀用(黒紋付、黒留袖、色留袖)

礼装用の帯揚げ帯締め
帯揚げ、帯締めは、白が基本となります。白地に金糸、銀糸が入ったものでも良い。
帯締めの代わりに三分紐とパールの帯留めを合わせても良い。
帯揚げと帯締めの種類と格①-2礼装用不祝儀用(黒紋付を喪服として着る場合)

不祝儀の帯揚げ帯締め
黒い帯揚げと帯締めを合わせる。
黒紋付の帯揚げと帯締め
帯揚げと帯締めの種類と格②第二礼装用(訪問着・付け下げ・紋付の色無地)

礼装用帯揚げと帯締め
礼装用の帯揚げと帯締め
帯揚げは淡い色合いのもので、帯締めは平組(平たく組んだもの)を。
帯揚げと帯締めの種類と格➂普段着用・お稽古用

普段着用の帯揚げと帯締め
普段着用の帯揚げと帯締め
帯揚げは個性的な色、はっきりした色合い、帯締めは平組でも、丸組でも良い。金糸、銀糸の入らないものを。

画像の絞りの帯揚げは、飛び絞りといって、礼装、お洒落用と両方使えて便利です。
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まとめ
以上、【初心者】着物の基本と決まり事・格・種類などを23枚の画像と題して、第一礼装から普段着までの着用頻度の高い8種類の着物の種類と用途、それに合う帯と長襦袢、小物の見分け方をご紹介しました。
まとめます
1着物の格と種類
①黒紋付
②黒留袖
➂色留袖
④訪問着
➄付下げ
⑥色無地
⑦小紋
⑧紬
2帯の格と種類
①袋帯
②名古屋帯
(九寸名古屋帯・八寸名古屋帯)
➂半巾帯
2長じゅばんの格と種類
①礼装用長じゅばん
②第二礼装長じゅばん
➂お洒落着長じゅばん
3帯揚げと帯締めの格と種類
①第一礼装
祝儀用
不祝儀用
②第二礼装用
➂普段着・お稽古着用
しきたりや格と言うと一見難しく思いますが、格によって帯や小物との調和のとれた着こなしが出来ます。
そして、着物の格に帯や長襦袢を合わせることで安心して着物を楽しむことができますよ。
こちらに着物の基本となる事柄を書きましたので是非併せてご覧ください。

こんな感じでお伝えしました。
いつも最後までご覧くださり、ありがとうございます。
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