未成年のゲーム時間も法律化!なぜ中国は「情報統制」をする?

未成年のゲーム時間も法律化!なぜ中国は「情報統制」をする? 雑学

今の若い世代は「デジタルネイティブ」といわれ、インターネットの発展と共に育ってきました。生まれたときから電子機器も気軽に触れる環境にあり、早い年齢で携帯電話を持っていた子どもも多かったと思います。そんなデジタルネイティブ世代が子育てを始めた昨今では、さらにスマホやゲームなどが身近なものになり、より便利な生活に恵まれていますね。世界中様々な情報にアクセスできる一方、インターネットの危険性とも隣り合わせだというのが実情。ハッキング防止のためVPNの仕組みを知るなどして、安全なネット環境を確保するのも、親御さんの大事な役目となりました。そんな日本とは対照的に、中国では世界中の情報にアクセスすることができないということをご存知ですか?今日は、中国で行われている「情報統制」について解説していきたいと思います。

「情報統制」とは?

情報統制とは、簡単に言うと「政府にとって都合の良いようにメディアをコントロールすること」を言います。市民は、意見を述べたり表現したりすることも許されず、政治権力にとって都合の悪い情報を伏せ、特定の情報のみを意図的に流すという行為もみられます。

情報統制のやり方も様々

情報統制と一言で言っても、インターネット上の情報だけではありません。新聞やテレビ、書籍に至っても情報統制がかかることがあり、市民に重要な情報や真実が行き届かないという国がたくさんあるのです。

情報統制の目的とは

そんな情報統制の最大の目的は、想像に難くないと思いますが、政治家が手っ取り早く市民の支持を得ることが大きいといわれています。政府にとって都合の良い情報だけを流しておけば、市民はそれを信じざるを得ませんし、対立国などにとって都合の悪い情報を流せば、自国の支持にもつながりますよね。

日本では行われている?

情報統制のやり方の1つに、出版物などを一般に流通させる前に政府関係者がチェックする「検閲」という仕組みがありますが、日本では禁止されています。私たちが自由にSNSやインターネットに触れることができるように、日本では情報の取捨選択は自由で、情報統制はかかっていません。テレビでは、その局によって伝える情報の切り口をずらしたり、伝え方を変えるなど工夫は施されていますが、必要な情報すべてが入手できる環境は整っているので、私たちは自己責任で情報を獲得し、自分たちの意思を持つことができるのです。

気になる中国の情報統制について

自由にSNSやネットを見ることができない市民たち

中国では基本的に、ネット検閲システムのため、GoogleをはじめFacebookやTwitterなどのSNSを見ることはできません。中国独自のSNS・ウェイボー(微博)が用意されており、その中で国が選び抜いた情報を獲得するしかないのです。

直近の情報統制問題「政府関係者の強制わいせつ疑惑」

中国で2021年、スポーツ選手の女性が政府関係者に性的関係を強要されたと告発しました。この件は、日本を含む世界各国で大問題として大きく報じられることになります。しかし、中国国内のメディアではその話題に触れることすらありませんでした。厳密に言うと、日本のNHKや米CNNなど、中国でも流れる外国のニュース番組の画面になるとブラックアウトするという仕組みなのだそう。

まさかのゲーム業界にも統制が

中国といえば、18歳未満のオンラインゲーム時間を、平日は1日1時間半、週末と祝日の日中は3時間までとする時間規制を発表したことでも、世界中に衝撃を与えましたね。中国ではオンラインゲーム関連企業にも統制をかけており、2021年7月以降「検閲」で新作ゲームの公開許可が下りないという状態が続いているのだそう。これを受け、多くのゲーム企業が倒産したり、リストラが発生したりと、市民は大打撃を被っています。中国政府は、子ども向けのゲームを純粋な娯楽ではなく、「正しい価値観と中国の歴史・文化への正しい理解が反映されたものであるべき」と考えており、国家機密などの漏洩がないかどうか厳密にチェックしているのだとか。

中には世界情勢をよく知る中国人も…その理由とは

そんな情報統制の中で生きる中国人でも、まれに世界情勢についてよく知っている人がいます。中国に住んでいるのに、外国の報道を見たり、統制されている以上の情報にアクセスできている人がいるのです。それはなぜなのでしょうか?

英語や日本語が理解できる人

1つ目の理由はシンプルで、「中国語以外の言語が分かる人だから」です。中国の情報統制は、あくまで中国に入ってくる都合の悪い情報が対象となっているため、たとえば日本語で書かれたニュースサイトであれば、アクセスできる人は多いのだそうです。

VPN接続で仮想空間からアクセスしている人

もう1つは、VPNと呼ばれる仮想のネットワーク接続を用いて、中国にいながらにして外国からのアクセスと見せかけながら世界中のウェブサイトを利用する方法です。情報統制も、VPN接続までを見抜くことは難しいのですね。今後中国に滞在する予定があり、情報統制に怯えている人がいたら、初心者向けVPN等をリサーチしておくと良いかもしれません。

まとめ

気になる中国の情報統制について解説してきました。中国に住んでいる人全員が、制限または歪曲された情報だけを獲得して生きているものだと思っている人も多いかもしれませんが、実際の情報アクセスはより難易度の低いものだということが分かりましたね。言語力に長けている人は世界中の情報にアクセスすることができますし、ITに詳しい人はVPN接続を使って自由にネットを回遊できるという、意外な暮らしぶりには驚きました。今後ますます強化されていくであろう、中国の情報統制。現に市民たちは統制されていることに気が付いており、それを回避し正しい情報を得ようと日々奮闘しています。すべての人があらゆる情報に触れ、人生を豊かにしていける自由に恵まれることを祈ります。

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