今では全世代がその名を知っているといっても過言ではない「たまごっち」は、1996年にバンダイから誕生した、携帯型育成玩具です。そのブームは社会現象を巻き起こし、発売から約2年で4000万個を超える売り上げを叩き出したと言われています。
そんなたまごっちには、それぞれ懐かしく温かな思い出が詰まっていることでしょう。好きなキャラクターに育ったときの喜び、お世話をサボって人気のないキャラクターになってしまったときの落胆、そして久しぶりにスイッチを入れるとお墓になってしまっていた衝撃。子どもながらに、生き物のお世話をすることの大変さや、愛しさを学ぶきっかけになりましたよね。
この記事では、初代から25周年記念を迎え、たくさんの人に愛されてきたたまごっちの最新型をご紹介するとともに、初代たまごっちとの違いを比較したり、これまでの軌跡を辿ってみたりと、たまごっちの歴史をまるっと振り返ってみたいと思います!
懐かしい!たまごっち 初代
モノクロで16ビットのレトロな見た目
たまごっち 初代といえば、モノクロに16ビットの見た目。今となってはレトロな玩具として振り返られていますが、当時は自分が飼っている生き物が画面の中で動き回っているという機能だけで、近未来的なゲームに思えたものです。
メニューは上下に8つあり、少ないボタンを上手に押しながら、目当ての機能を選んで一生懸命お世話したのではないでしょうか。
遊ぶ、食事をさせる、トイレをさせる…まるで子育て!
たまごっちがお腹を空かせていないか、ご機嫌斜めではないかもこまめにチェックし、その場に応じたお世話をします。たまごっちの機嫌が悪いと、「あっちむいてホイ」で遊んであげましたね。生まれたばかりの「ベビっち」は、ご飯をあげてもすぐに空腹になり、トイレも頻繁。当時小学生だったユーザーは、日中のお世話を親にお願いしたり、学校に持ち込んでいる人もいたそうですよ。今思えば、子育てと同じように「いつもこの子のことを気にかけ、適切な関わり方をする」という演習になっていたのかもしれませんね。
あなたはどれが好きだった?愛すべきキャラクターたち
たまごっち 初代で人気を博していたキャラクターもたくさんいましたね。
- まめっち
- くちぱっち
- ぎんじろっち
- ますくっち
- たらこっち
- にょろっち
- おやじっち
まめっちやくちぱっちなどは、最新モデルになった現代も活躍しています!当時のビジュアルと比べると、目が大きくなったり体がボリュームダウンするなど、時代に合わせてその見た目も進化しているようです。
知ってる?最新のたまごっち
2023年1月現在、最新型のたまごっちは「Tamagotchi Smart」といわれる、スマートウォッチ型のたまごっちです。タッチ操作でキャラクターの頭を撫でたり、マイクで声をかけたりと、直接的なコミュニケーションができるようになっているのだとか。現代ならではのAI機能も搭載されており、飼い主であるユーザーの情報を記憶し、なつくように設計されているのです。まさに「あなただけのペット」。より愛着が湧き、お世話をしたり一緒に過ごしたりするのが楽しくなる!そんな進化を遂げています。
豊富なバリエーションでおしゃれにも
「Tamagotchi Smart」は、本体のカラーが7種類展開されています。人気のキャラクターやアニメがコンセプトになっており、好みで選べるのが嬉しいポイント。ワンピース(黒)やサンリオ(ピンク)、NiziU(レインボー)など、次々にトレンドを取り入れたモデルが発表されていますよ。スマートウォッチ型なので、ファッション感覚で選んで毎日身につければ、おしゃれ上級者に!
選べる育成キャラクター
もともと搭載されている育成キャラクターは同じなのですが、最新型たまごっちには連動アイテムも存在します。それが「たまスマカード」と呼ばれるカードで、本体に挿入することで育成キャラクターを増やすことができるんです。たまごっちオリジナルキャラクターだけでなく、有名キャラクターの着ぐるみを被った可愛らしいアレンジキャラを育てることも可能。あなただけのペットを、愛情込めて育ててみませんか?
カスタマイズであなただけのたまごっちライフを
「たまスマカード」には、育成キャラクターを増やすだけでなく、たまごっちを育てる環境をカスタマイズできる機能もついています。「たまスマカード スイーツフレンズ」を挿入すれば、スイーツをモチーフにした食事メニューやアクセサリーが追加できます。ベーグルやパンケーキなど、まるでおしゃれカフェのような食事を与えることができたり、スイーツ柄の帽子やホイップクリームのウィッグなど、毎日着せ替えで気分がアガる!そんなカスタマイズが自由にできるようになっているんですよ。
初代と最新モデル、何がどう変わった?
初代から変わらないコンセプトとは
たまごっち 初代と最新モデルで、唯一といってもいいほど普遍的なものは、そのコンセプト。生き物を飼うこと、そしてご飯をあげたり、トイレをしたときには片づけてあげたり、本当にペットを飼っている感覚で、命を大事にするという理念。それだけは、25周年を迎えた今でも変わらないのだそう。もともと、たまごっち 初代を開発したバンダイの元社員・横井昭裕氏が大の動物好きだったことから、「ペットを育てるゲーム」として生まれました。よって、生き物を大切に育てようという根本的な部分は、今なお子どもたちへの教えとして残されているのですね。
初代と最新型で最も大きな違いとは
たまごっち 初代と最新モデルの大きな違いは、より多くの人が好みによって選べるようになった、その豊富なバリエーションでしょう。初代から今なお人気のキャラクター「まめっち」や「くちぱっち」などは健在のまま、サンリオや鬼滅の刃など、世間的に人気のあるキャラクターとコラボしたオリジナルのたまごっちを育てることができ、たまごっちに”個性”を出すことができるようになりました。小中学生の間でもスマートフォンが普及するなど、かつての時代よりもプライベートの大切さが説かれるようになってきた現代。たまごっちを育てるにあたっても「オリジナルペット」「自分だけのパートナー」という視点で楽しまれるようになっているのですね。
まとめ
初代の発表から、早いもので25周年を迎えたたまごっち。その長くも儚い歴史の中で姿を変えながら、今ではトレンドのスマートウォッチ型となって新たなブームを巻き起こしています。動物好きの開発者により、生き物の命を扱う大切さを伝えられる玩具として生まれたたまごっちは、今もこれからも、子どもたちの中に大切な思い出を刻み続けていくことでしょう。